マレーシアの投資物件を選ぶとき、購入価格と想定家賃に加えて確認したいのが、将来の買い手の資金調達力です。住宅ローン申請額が増える一方、承認額が減少したという報告は、売却計画を考える材料になります。
住宅ローン申請額は増加、承認額は減少
EdgePropが2026年11月6日に報じた同社の上半期市場レポートによると、1〜6月の住宅ローン申請額は前年同期比2.6%増のRM2,310.3億、承認額は1.2%減のRM903.5億でした。承認額を申請額で割った金額比率は、前年の40.6%から39.1%に低下しました。
39.1%は、個々の申請者を追跡した審査通過率ではありません。申請と承認の集計値の比較であり、「申請者の約6割が落ちた」「外国人の融資基準が変更された」と読み替えることはできません。
政策金利と、実際に借りられる条件を分ける
マレーシア中央銀行(BNM)は11月5日、政策金利(OPR)を2.75%に据え置きました。これは住宅ローンそのものの適用金利ではありません。購入者が提示される金利、借入可能額、返済期間は、銀行や物件、申込条件によって確認する必要があります。
投資家が購入前に確認したいこと
ここからは、売却計画を立てるための実務上の視点です。自分が現金で買えても、将来の買い手が同じ条件で買えるとは限りません。売却対象が居住用の実需層か投資家かを想定し、その層に届く価格帯かを検討しましょう。
- 周辺の募集価格だけでなく、同じ建物や近隣の成約価格を確認する。
- 未販売の新築住戸や中古売出しが、売却時の競合になるかを見る。
- 売却に時間がかかる場合の管理費、ローン返済、修繕費を織り込む。
売却価格の上昇だけに頼らず、保有中の賃貸収支と売却に要する期間を組み合わせて評価することが、今回のニュースを投資判断に生かす方法です。
出典
EdgeProp:Housing loan approval ratio falls below 40% for first time since 2021(2026年11月6日。対象統計:2026年上半期)
BNM:Monetary Policy Statement(2026年11月5日)
